1日は関東大震災から90年の節目となり、新聞やテレビでも当時のことが数多く取り上げられていた。約10万5000人の死者・行方不明者を出し、国内最大級の被害に見舞われた大災害。昭和48年生まれで遠く離れた和歌山出身の筆者には当時の状況はまったく想像もつかないが、新聞記事などを読んでみると犠牲者の大半が火災で亡くなったと伝えられている。台風が接近していた影響もあって強風が吹いていたために火災が広がり、多くの命を奪ったという。
 防災については、過去の災害を学習しておくことが大変重要になる。前出の関東大震災で火災の恐ろしさを経験し、阪神淡路大震災では家屋倒壊を防がなければならないという教訓を得た。それから記憶に新しい東日本大震災では、言うまでもなく大津波。火災、倒壊を防いで自宅や避難所が無事でも、沿岸部の住民はすぐに逃げなければ命を落とすことにつながりかねないと教えられた。想定にとらわれないという意識を持つことも新たに加わった点で、それらを学習しておかなければ次の大災害発生時に被害を軽減させることは難しくなる。近い将来、大地震、大津波の発生が懸念されるこの地域では特に肝に銘じておくべきであろう。
 人間は何かあったときに学習するから進化、進歩する。学習とは「過去の経験の上に立って、新しい知識や技術を習得すること」(広辞苑)であり、過去の事象を知るだけでなく今後に生かすということだろう。大地震の備えが待ったなしの当地方ではさらに、学習したことをうまくいくように、繰り返し試みてみる練習が大事になる。防災の日にちなみ各地で行われた訓練の報道を見てあらためて感じている。  (賀)