プロサッカー選手として世界各国で活躍した由良町出身の直川公俊さん(29)が、イタリアのプロサッカーリーグ・セリエD所属のリカータ・カルチョの会長に日本人で初めて就任した。リカータ・カルチョはシチリア島を拠点に創立から82年の歴史がある老舗クラブ。直川さんはトップとしてチームの補強や経営の陣頭指揮を取っていくことになり、「セリエC昇格を目指す」と新天地での活躍を誓っている。
 ブラジルやヨーロッパ各国、アフリカなどでサッカー修行しプロ選手として活躍した直川さんが、今後はクラブのマネジメントに乗り出す。
 以前からクラブ経営に興味があり、親交があるカメルーン代表のエトー選手の代理人が以前、リカータ・カルチョに所属していたことなどから、会長に就任することになった。「町は海の近くにあり、魚介類がすごくおいしく、潮の香りが心地よくて由良の雰囲気に似ているのもここを選んだ理由」という。現在はJリーグ・ジュビロ磐田やヴァンフォーレ甲府などでプレーした犬塚友輔選手と林洋人選手という実力のある日本人2人も所属しているほか、ベルギー2部やセリエBからも選手を獲得するなどすでに補強を行っている。「セリエDといっても全員がサッカーで生活しているプロ選手。試合にも毎回3000人以上がスタジアムに足を運んでくれる熱狂的な地域で、まずは地元サポーターの皆さんから信頼され、応援してもらって選手のモチベーションを上げていきたい」と意気込んでおり、間もなく開幕するリーグへ向け「初めてのことですが、セリエCに昇格するという目標へ頑張りたい」と抱負を語っている。
 直川さんは小学4年から地元由良FCでサッカーをはじめ、立正大淞南高校時代は全国高校サッカー選手権に出場を果たした。その後は単身、海外でのサッカー修行に出て、ブラジルやイタリアなどで経験を積み、2004年にはポーランド1部リーグのグールニク・ザブジェと契約。2007年にカメルーン1部リーグのキャノン・ヤウンデでプレーしたことがきっかけでカメルーンとの結びつきが深く、現役引退後は同国のサッカー組織に所属してチャリティーマッチやサッカーイベントを企画・開催する仕事に携わっていた。