海の向こうのメジャーリーグではニューヨーク・ヤンキースのイチロー選手が今月21日、トロント・ブルージェイズ戦で日米通算4000本安打(日本1278本、米国2722本)という記録を達成した。現在の年齢は39歳。年齢を重ねても打率を低下させることなく、安打を量産させたことがこの大記録につながったのだろう。30歳代後半といえば一般的に運動能力が衰退するが、いまもメジャーの一流プレーヤーとして活躍している。
 日本球界も負けていない。現役最年長のプロ野球選手、48歳の中日ドラゴンズの山本昌投手が来季も現役を続けるという。入団以来、ことしで30年目。最年長先発勝利投手などの記録を持つ。27日現在でプロ入り573試合に登板し、217勝164敗5セーブ。防御率は3・44と輝かしい実績だ。今シーズンも大きな存在感を見せている。阪神ファンの筆者もこれまで山本投手には随分と泣かされたが、少しでも長く現役を続けてもらいたい。
 野球などのスポーツは体が資本だが、20歳代のピーク時から運動能力が低下する。超一流選手が集まるプロ野球の世界では年々若手選手が入団し、年齢による運動能力の低下はきつい。そんな中でも長年にわたって現役が続けられるというのは徹底したトレーニングや体調管理の証で、超越したプロ意識の表れ。
 筆者も来月には誕生日を迎える。いよいよ中高年の域。以前、紀州梅の郷救助隊の尾崎剛通隊長は講演で「残り人生では、いま現在が一番若いことになる。何事にもチャレンジしてもらいたい」と話していた。「もう年だから」ではなく「まだまだ若いもんには負けへんで~」。おっさん、奮起。(雄)