毎年春に自宅の菜園で美しいシバザクラを咲かせ話題となっていた市内熊野、加治屋節子さん(80)がこのほど、病気療養のため故郷の兵庫県に引っ越した。しかし、大切に育ててきたシバザクラのことが大きな心残りで、根ごと移植して育ててくれる人を探している。このまま管理せず枯らしてしまうのは忍びなく、「今後も誰かに見てもらえる場所に」と望んでいる。
 シバザクラは6年前、加治屋さんのおいで兵庫県に住む松原進さん(70)が、加治屋さんの一人暮らしを気遣って「何か楽しめるものがあった方がいい。この辺にはあまりないシバザクラを植えてはどうか。色の種類もたくさん楽しめる」と提案。苗を買ってきて自宅裏の山の斜面に作った菜園の一角に定植した。初年度はイノシシに掘り起こされて全滅しかけたが、近所のハンターの協力もあってあきらめずに残った苗を育て復活。3年前からようやく花が咲くようになってきた。水やりや草引きなど大変なこともあったが、松原さんもしばしば兵庫県から足を運んで手伝った。もとは縦3㍍、横7㍍の範囲だったが、苗を増やしていまでは縦5㍍、幅16㍍に拡大。毎年春に赤、紫、ピンク、白など7種類のかわいくて美しい花を咲かせ、花好きの近くの人も自由に見物に来ていた。
 松原さんは「おばは病気で病院に通う機会が増えたため、この際身内がいる故郷の兵庫県に引っ越しました。でも大切にしていたシバザクラがなくなるのは寂しいと思います。どこかで咲いていれば、『またいつか見に来れる』という楽しみと希望が持てると思います」と話し、「もちろん無償でお譲りします。個人でもいいし、官公庁や病院でもいいのでどこかで育ててもらえれば」と話している。問い合わせは松原さん℡090-1671-4140まで。