日高川町が交付要綱を守らなかった捕獲者にも鳥獣害捕獲報奨金を交付していた問題で、議会産業建設常任委員会(熊谷重美委員長)は17日、市木久雄町長に支払い済みの報奨金の再検討等求める意見書を提出した。同委員会や担当課などの調べで、平成24年度の申請分で交付要綱に沿わず日付が入っていない個体写真や転用したと思われる写真など見つかっている。町では、これらについて報奨金の返還も含め、今後の対応を検討していく。
 意見書には▽職員によるしっぽの確認があったといはいえ、補助金交付要綱通りに処理されていなかった責任は大きい(他の補助金交付要綱への影響も大きい)▽支払い済みの報奨金について再検討をいただきたい――との2点を訴えている。委員会では、平成24年度の報奨金申請の受け付けに対し、監査委員が、町に事務を改めるように指摘したことを受け、申請書類を再調査。監査委員が不備を指摘した日付が入っていないイノシシ、シカの個体写真645枚、転用したと思われる写真1枚に加え、新たに転用の疑いがある写真3枚と、ワナで捕ったのに報奨金が高い銃(報奨金ワナ6000円、銃1万5000円)で申請するなど捕獲方法に疑問がある申請書も十数件見つかった。
 この日、熊谷委員長が意見書を市木町長に手渡し、市木町長は「申請者に話しを聞いている関係職員らで協議し、今後の対応を再検討していきたい」と述べた。
 平成24年度の捕獲報奨金は約5000万円。このうちイノシシ、シカの報奨金は3635頭分の約4600万円。熊谷委員長は「要綱違反をこのままにしておくのか、銃による捕獲数の多さを疑問視する町民の声が委員会に届けられている。きちんとした対応をお願いしたい」と話している。