南部高校農業クラブのメンバーが特産の南高梅とトマトをミックスさせて商品化した「梅と野菜のジャム」が好評を呼んでいる。半年間試行錯誤を重ねて仕上げた苦心作で、トマトの甘味と梅の酸味がほどよくアレンジされている。取り組んだ生徒たちは「パンに塗るだけでなくドレッシングなどとしても使えるので、ぜひ味わってもらいたい」とPRしている。
 商品化に取り組んだのは、3年生の大西麗香さん(御坊市)、中田ほのかさん(上富田町)、植野香澄さん(御坊市)の3人。昨年夏、毎日新聞社の「笑顔でプロジェクト」の企画でトマトなどを使ったドレッシングをつくったが、あまり日持ちしないのが欠点だった。課題をクリアするため、仕上げたドレッシングをベースとしてジャムに変更することに。昨年度に卒業した農業クラブの先輩、平井建人さんが残した加工データを参考にしながら挑戦。トマトをペースト状にして裏ごしし、水分を取り除いてから梅を入れる製法を取り入れた。砂糖も3種類加え、口当たりや甘さ、味わいを調整した。出来上がったジャムを大阪の食品会社に送り、社員に試食してもらったところ「ヨーグルトよりもパンによく合う」「梅とトマトの組み合わせがいい。ドレッシングにいいかも」などの声もあった。和歌山市内のホテルで開かれたイベントにも30個を出品したところ、すぐに完売したという。
 価格は1個(180㌘)300円。田辺市の情報交流センター「ビッグ・ユー」内で不定期に販売している。生徒たちは「今後も果肉を入れるなどして、食感などで改良を加えていきたい。梅もトマトも健康にいいし、大勢の人に味わってもらいたい」とPRしている。