御坊保健所が募集していた「看護師さんへのありがとうメッセージ」の入賞者が決まり、最優秀賞に日高町志賀の井阪照子さん(79)の作品が選ばれた。井阪さんは昨年、骨折等で3カ月に及ぶ入院生活中、患者目線で励ましてくれた主任看護師への感謝の気持ちをつづり、「おかげで元気を取り戻すことができた」と素直に表現した。優秀賞10点とともに7月7日の七夕交流イベントで表彰される。
 井阪さんは昨年6月、内臓の病気で入院し、退院後すぐに足の骨を折る大ケガをして再び同じ御坊市内の病院の整形外科に入院。9月中旬に退院するまでの3カ月間の入院生活で出会った主任看護師の対応の素晴らしさに感動した経験を、400字原稿用紙いっぱいに表現。ベッドのそばにかがんで同じ目線で不安や悩みを聞いてくれたこと、そっと手を握ってくれたことを振り返り、「なかばうつ状態になっていましたが、人の温もりを感じ、少しずつ元気を取り戻し、つらい入院生活も前向きに過ごせるようになりました」と思いを込めた。
 井阪さんは夫の定年退職を機に平成7年、自然豊かな景色が気に入って日高町にIターン。23歳から箏の師範として活躍しており、大阪の弟子のために月に数回、出張稽古に出るなど年齢を感じさせない充実した毎日を送ってきた。それだけに骨折して入院したときは「もう一生車いす生活なのかもしれない」「大好きな箏を教えることができないかも」と気がめいっていたという。そんな時、主任看護師が「絶対に治りますよ」「また大阪へ教えにいくという目標を持てば頑張れます」などといつも励ましてくれた。井阪さんは「なかなか面と向かって感謝の気持ちを伝えるのは難しく、退院するときもありがとうございましたの一言しかいえませんでした。それが今回、このような機会があることを知り、応募させてもらうと、最優秀賞ということでびっくりしました」と笑顔で、「元気付けてくれた主任看護師さんにわたしの気持ちが伝わればうれしいです」と話している。
 優秀作品は、交流イベントで表彰し、その場でも展示するほか、イベント終了後は管内4病院でも掲示することにしている。優秀賞は次の皆さん(名前公表の7人)。
 栗本登美子(日高川町)、龍田義美(同)、林弥一郎(御坊市)、土井綾(同)、小坂和也(同)、竹田啓一(同)、川口妙子(日高川町)