日高川町が交付要綱を守らなかった捕獲者にも有害鳥獣報奨金を交付していた問題で、有志議員が4日、報奨金申請書類の調査を行ったところ、写真転用など複数の不正の疑いがある書類が見つかった。
 議員数人が平成24年度に約5000万円を交付した報奨金のうち、イノシシとシカ3438頭分の申請書類を調べたところ、同じ写真を使っている疑いがある申請書類数点が確認された。書類が多いため、この日すべてを見比べることはできなかったが、もっと多いとみられる。調査を終え、議員からは「申請の受け付けがあまりにもずさん」「5000万円という多額の報奨金を交付しているのにこのまま見過ごしていいのか。これからきちんとするではダメ。事実確認が必要」などの意見が聞かれた。
 捕獲者は捕獲報告書の提出が義務付けられており、捕獲の確認としてイノシシとシカは捕獲物のしっぽと日付入りの写真が求められているが、監査委員の調査で平成24年度の59人の645頭に写真の日付がなかった。監査委員からは、町はこれらの捕獲者に対して報奨金を交付した事務を改めるよう指摘を受けていた。
 町ではこれらの捕獲者については追求しない方針で、要綱を守ることを徹底、議会でも先月9日に開いた産業建設常任委員会で追求しないとの結論を出したものの、今回の調査結果を受け、10日の産業建設常任委員会で再協議することを決めた。日付なし写真や写真転用の真実について今後の対応など話し合う。