市内塩屋町の県農業大学校就農支援センター(大江吉人所長)で31日、本年度の技術修得研修社会人課程の開講式が行われた。新規就農や農業法人への就職を目指す離転職者ら農業の素人を、来年1月末までの8カ月間でプロに養成。中学教諭、サラリーマンなど前職はさまざま、27歳から63歳までの男性9人が集まり、それぞれの将来設計を持って新たな人生への一歩を踏み出した。
社会人課程は、農地も設備もない農業の素人を一人前の農家に育て上げることを目的に、厚生労働省の補助事業(公共職業訓練)として昨年度からスタート。今月から来年1月末まで8カ月にわたり、野菜、花き、果樹の栽培実習と講義、農家に出向いての実践研修などを行う。
2年目のことしは男性9人が受講、うち5人は東京、神奈川、兵庫など県外出身で、平均年齢は45歳。元中学教諭、建設関連やIT関連のサラリーマンなど前の仕事はさまざまだが、アベノミクスの成長戦略で柱の1つに挙げられる農業分野にかける熱い想いは同じ。6人は本格的な自立経営、2人は自給自足の田舎暮らし的な準本格営農、1人が農業法人への就職を考えており、週明けから夏野菜、切り花、梅の栽培の実習と講義が始まり、夏以降はそれぞれ取り組みたい作物にシフトしながら、9月以降は毎月5日間、専業農家の〝通い弟子〟となって、栽培、経営のノウハウを教わる。
宮城県石巻市出身の58歳の元中学教員は、学校で畑を借りて生徒たちと行った野菜作りがきっかけで農業に興味を持ち、「第二の人生、まだ間に合うと思って挑戦しました。御坊市内にアパートを借り、単身生活ですが、ここと地形がよく似た石巻を思いながら頑張ります」と笑顔。また、大阪出身の40歳はこの冬に田辺へIターンし、「いろんな事情で仕事を辞めて、こっちに来ました。まだなんの知識も技術もありませんが、ここでしっかり基本を身に付け、将来はこの和歌山でトマト農家としてやっていきたいです」と話していた。

