最近、都会では「1人カラオケ」なるものがはやっているとか。その名の通り、1人用の狭い個室の中でカラオケをうたうのだが、これが24時間、客が途切れることがない。高校生、サラリーマン、主婦など、いろんな人が喫茶店のようにぶらっと訪れ、AKBやミスチルなど好きな歌を思う存分、熱唱。大きな声で歌をうたうのは何よりのストレス解消、ハマッてしまうのも理解できる。
 たとえば、会社勤めのお父さんなら、仕事の帰りに赤ちょうちんで一杯、若い人ならジョギングやスポーツで汗をかき、喫茶店で読書、映画、釣り、パチンコ、習い事もいい。とにかく、仕事場から家に帰るまでの1時間、2時間を自分の趣味に当て、1人で仕事を忘れる時間をつくるというのは、けっこうなストレス解消につながる。いくらこぼしても拭いてもなくならない愚痴をいい合う飲み会よりも、1人カラオケは安く、気分よく、ストレスを発散できるに違いない。
 ふだん、なかなか遊びに行く時間のない専業主婦なら、たまにはご主人に子どもを預けて友達と飲みに出かけるのもよし。毎日の仕事や家事、育児で疲れた頭を切り替えるには、体を動かしたり大声を出したり、料理やものをつくったりして没頭することが一番。ようするに、寄り道をして好きなことをするだけ。簡単なようだが難しく、いまの時代を生きるうえで、案外、重要なことかもしれない。
 好きなことでストレスを発散、カタルシスを実感できるというのは、それだけ仕事に家事に頑張っている証し。うっとうしい梅雨空、少し疲れを感じたら、ちょっと寄り道してみてはいかがでしょう。    (静)