公共の福祉増進に功労のあった個人、団体をたたえる県知事表彰の本年度受賞者が決まり、県全体で50人と9団体、日高地方からは地方自治振興功労の元由良町議会議長中図広行さん(65)、保健福祉功労の元御坊市老人クラブ連合会会長木下孝さん(80)ら5人と日高川町の地域おこしグループ「ゆめ倶楽部21」が選ばれた。28日午後2時から和歌山市のホテルアバローム紀の国で表彰式が行われる。
 県知事表彰は公共福祉の増進、その他広く県民の模範となるべき功績のあった個人と団体を対象に、昭和28年から始まりことしで61回目。今回は地方自治、保健福祉、環境衛生、暮らしの安全など8つの分野で50人(うち女性8人)と9団体が受賞する。
 日高地方の受賞は、地方自治功労で元由良町議会議長の中図広行さん=同町三尾川=、保健福祉功労で元御坊市老人クラブ連合会会長の木下孝さん=御坊市島=、統計調査功労で国勢調査調査員の坂上(さかうえ)茂代さん(72)=由良町大引=、農林業振興功労で紀州うめどり・うめたまご協議会会長の細川清さん(62)=みなべ町晩稲=、水産業振興功労で日高川漁協代表理事組合長の大杉達(すすむ)さん(68)=御坊市野口=、地域おこし功労で日高川町のゆめ倶楽部21(原見知子代表)。各受賞者(団体)の主な功績等は次の通り。
 中図さん 平成3年の議員初当選から23年まで5期20年間在職、うち19年から21年までは議長を務めた。12年度からは中山間地域等直接支払事業の集落役員を務め、農業構造改善事業で柑橘畑へのスプリンクラー設置に取り組むなど、基幹産業の柑橘類の生産拡大に尽力した。
 木下さん 平成6年、藤田小学校校長を最後に退職後、11年から現在まで地域の老人クラブ、春日福寿会の会長を務めており、16年から昨年までは市老人クラブ連合会会長、21年から昨年までは県老人クラブ連合会副会長に就任。ほか、市社会福祉協議会副会長なども務めた。
 坂上さん 昭和36年から平成13年まで40年間は由良町の職員で、その間、8回の国勢調査業務に従事。退職後も17年と22年の2回、通算10回の国勢調査で訪問、調査票回収等の業務にあたり、親切、丁寧な対応で正確な調査票の作成に努め、他の調査員の模範となった。
 細川さん 昭和60年に梅干し加工、販売の㈱紀州ほそ川を設立。大量に処分される梅酢に着目し、梅酢エキスを完成させ、鶏や養殖魚の飼料を商品化した。平成17年には紀州うめどり・うめたまご協議会を立ち上げ、紀州梅効能研究会会長として梅の健康効果の検証にも力を注いだ。
 大杉さん 平成19年、日高川漁協代表理事組合長に就任以来、一貫して日高川のアユやアマゴの保護増殖に取り組み、21年からは県内水面漁協連合会代表理事組合長も兼任。日高川漁協ではアユ、アマゴ、モクズガニの種苗生産を行い、天然アユの保全対策にも尽力した。
 ゆめ倶楽部21 平成14年の設立当初からグリーンツーリズムの推進を柱に、農地の有効利用、田舎暮らし支援をテーマに活動。現在は60種類以上の体験型観光を実施し、都会の人の田舎体験から交流、交流から移住へとつなぐ取り組みが全国の過疎地域のモデルとなっている。