歌舞伎役者、 六代目中村児太郎さん (19) が15日、雀成会 (27日、 国立劇場) で演じる「京鹿子娘道成寺」 の成功祈願で日高川町鐘巻の道成寺 (小野俊成住職) を訪れた。
 参道で歓迎のセレモニーが行われ、 日高川町観光協会の石倉忠明会長はあいさつで、 父の九代目中村福助さんの 「娘道成寺」 奉納や成功祈願に児太郎さんも同行したことを紹介し 「いつか児太郎さんもここで 『娘道成寺』 を舞っていただければと思います」 と述べた。 児太郎さんは 「今回は父ではなく自分自身の成功祈願で、 山門を見ただけで鳥肌の立つ思いです。立派に 『娘道成寺』 が舞えるよう精進したいと思っています」と力強い口調で決意を話した。 石倉会長の孫で児太郎さんと同名の石倉虎大郎(こたろう)ちゃん(2) から花束を受け取ったあと、 天音太鼓の先導で石段を上り本堂へ。 小野住職は 「舞台を通じて観客と仏様の橋渡しになってください」 と言葉を贈り、 成功祈願の読経。 児太郎さんは一心に祈り、證状 (しょうじょう)を受けていた。
 日本舞踊中村流家元が会主を務める雀成会は、 児太郎さんの祖父でおととし他界した七代目中村芝翫(しかん) さんが先代家元。 今回の公演は追善と現家元中村梅彌さんの継承披露。 児太郎さんは 「歴代 『児太郎』 は皆10代のうちに 『娘道成寺』 を舞っており、 私も20歳になる前にと以前から願っていました。 祖父から直接教えを受けた唯一の演目。 教わった通りしっかりと舞えるよう、 連日稽古しています」と話している。