県警の嘱託警察犬競技会が去る29日、 和歌山市の県警交通センターで開かれ、 臭気選別の部で日高町高家、 団体職員大土葉月さん (20) とアメリカンボクサーのオーロラ号 (メス、 8歳) が見事優勝を飾った。 大土さんはことし1月に警察犬指導手に合格し、 初めての競技会でいきなりの快挙。 同じ指導手の父博章さん (53) も昨年秋の大会で優勝しており、 「父に追いつけてうれしい」 とうれしさいっぱいに話している。
 競技会には31頭と指導手21人が参加し、 日ごろの訓練の成果を競い合った。
 臭気選別は、 犬に臭いをかがせ、 スタートラインから約10㍍離れた選別台に並べた5つの布から同じ臭いの布を持ってくる競技。 4回行い、 的中率で順位を争った。 今回は初めて父娘で出場。 葉月さんとオーロラ号は2番目に登場し、 参加者や見物人、 報道陣らが見つめる緊張感のなか、 4回すべて的中させるパーフェクトを唯一達成。 同じくオーロラ号と出場し、 3回的中だった父らを抑え優勝旗と賞状を手にした。
 父の姿を見て中学生のころから指導手になりたいとの思いを持っていて、 必要な資格である車の運転免許を取得してから指導手試験に挑戦。 1度目は不合格だったが、 昨年11月、 2度目の挑戦で見事合格。 ことし1月1日付けで晴れて指導手となった。 普段は博章さんが先生で、 休日などを利用して自宅周辺で特訓。 指導手に緊張や動揺があると警察犬にも伝わって本来の力が発揮できないため、 本番では冷静に指示することを心がけた。
 葉月さんは 「リヴ (オーロラ号の愛称) がよく頑張ってくれました。 優勝にはびっくりしましたが、 父に勝ててうれしいです。 これからもリヴと一緒に大会に出て優勝したい」 と張り切っている。 博章さんは 「娘の優勝は、 自分が優勝したときよりうれしいです。 でも負けたくない気持ちもあるので、 次はわたしが優勝したい」 と闘志を燃やしている。