紀州路に初夏の訪れを告げる日高川のアユ漁が1日、 全国のトップを切って解禁した。 おととし9月の台風12号豪雨の影響で川が大きな被害を受けたため、 釣り人は例年より少なめ。 そんな中、 ダメージが少なかった椿山ダム上流の本流や寒川などの支流、 ダム下流でも県内外からこの日を待ちわびた太公望が1年ぶりの竿の感触を楽しんだ。
 好天に恵まれ、 ダム上流では本流、 支流ともいずれのポイントも入川できるコンディション。 ダム下流は台風12号豪雨の影響で昨年同様にひっそりとしていたが、 河川工事の影響が少ない川中迂回線で釣り人の姿が見られた。
 寒川では旧寒川中学校周辺で2人が入川。 そのうちの一人、 御坊市野口の田ノ岡一郎さん (64) はウエットスーツに身を包み、 午前5時から竿を出した。 昨年の解禁日は龍神で釣っていたため、 釣り人の少なさに戸惑いながらも、 4時間余りで10匹以上を釣り上げるなど釣果はまずまず。 サイズは12、 13㌢程度と小ぶりながらも田ノ岡さんは 「早い幕開けを考えるとサイズはこんなもの。 竿の感触を楽しめてうれしい」 とにっこり。 ダム下流の川中迂回線では坂野川地内で3人が入川。 大阪河内長野から訪れた松田秀光さん (45) は3時間ほどで15匹を仕留めるなど上々の釣果で、 サイズは比較的小さい15㌢程度。 「この日を楽しみにしていました。 思った以上に多く釣れています」 と笑顔で話していた。
 県内河川の解禁日は3年前まで5月26日になっていたが、 県の内水面漁業調整規則変更に伴い、 おととしから解禁日を5月1日に前倒し。 日高川はおととしについては試験的に解禁日を3日とし、 昨年から1日となった。 高知県河川を抜いて日本一早くアユ釣りを楽しめるようになった。