IT化のおかげで、いろんな商売が生まれている。最近は名刺管理サービスというものもあって、ちょっと便利で役に立ちそうだと感じた。
 文字通り名刺の管理を代行してくれる会社。自分の会社の役員、上司、営業、販売担当者が毎日もらってくる名刺をスキャナーを通してデータ化、送信し、一括管理してもらえる。誰がどんな人脈を持っているか、きょう一日どんな人と会ってきたのかの情報が社内で共有でき、相手とのコミュニケーションを図りやすくするというのが最大のメリットだ。データはスマホを使えば出先からでも閲覧が可能。名刺に記載されていることに、先に会った人が趣味やNGワードなどの情報を加えておけばスムーズな取引に役立てられる。
 実際に「あの人に取材を頼みたい」と思った時、面識のない自分がいきなりアポを取るといろいろな行き違いがあったりもするが、その人と知り合いの営業担当者に頼んだら、すんなりOKをもらえたという体験もある。地方の新聞社、特に人脈は取材にも営業にも大変重要。全社員の人脈をフル活用できれば業務の効率化、成績アップにつながる可能性が高いだろう。
 どこの会社でも上司とお酒を飲みに行ったり、同僚同士プライベートで交流したりする機会が減っていると思う。それは社内の情報共有力低下にもつながっている。その代わり、ほとんどの人がパソコンやスマホを使えるようになり、いつでも、どこでもコミュニケーションは取れるようになった。時間が進み、技術も日進月歩。自分たちが便利になったものを生かせずに立ち止まっていると、時計の針が逆回りしているのも同じこと。次々生まれるアイデア商売にも常に気を配っていきたいものだ。 (賀)