県教育委員会はおととし12月に作成した 「津波防災教育指導の手引き」 を改訂し、 県内の小中学校、 特別支援学校の全教員約7200人に配布した。 各学校が旧版を基に実践的な授業や避難訓練を行ってきたなか、 浮かんだ課題や現場の意見を踏まえて中身を更新。 新たに印南中学校の生徒の取り組みなど指導事例のほか、 台風12号豪雨を教訓とした土砂災害に関する指導目標等も盛り込まれている。
 東日本大震災のあと、 県教委が地震と津波から命を守ることを第一に、 「釜石の奇跡」 を生んだ群馬大大学院の片田敏孝教授の指導を受けて教員用の手引きを作成。 各学校ではそれに基づく避難路の確認、 津波を想定した避難訓練など、 災害時に自らの判断で行動できる力を身につけさせる実践的な授業が行われた。
 今回の改訂版は新たな課題や現場の教員らの意見を踏まえて中身を充実させ、 印南中学校など5つの小中学校の取り組みや授業の内容も掲載。印南中は先人の経験に学び、語り継ぐことの大切さを理解するため、犠牲者がゼロだった安政南海地震と犠牲者が出た昭和南海地震の資料を調べ、貴重な経験者の伝承が伝わらない原因をさぐり、授業の中で今後の伝承のあり方を考えた。
 県教委は「この手引きを基にすべての子どもが防災について学習し、地域ぐるみの防災力の向上を目指し、 引き続き実践を重ねて地域ごとの手引きのバージョンアップを進めていく」としている。