優れたアイデアで職場の技術改善に貢献したとして、 みなべ町晩稲、 梅加工㈱ウメタ晩稲工場の中本康さん(35)=東岩代=が文部科学大臣表彰の創意工夫功労者に選ばれた。 梅製品の容器を改善し、 コスト削減などにつなげた功績が認められた中本さんは 「大変光栄。 これからも他の人の意見を聞きながら問題点を改善していきたい」 と話している。
 表彰式は19日に県庁で行われる。 職域の技術改善向上に貢献した従業員らを対象とした賞で、 本年度は県内で7人が受賞、 日高地方では唯一となった。
 中本さんは梅製品をパック詰めにする作業に従事。 2年前、 四角形の容器にふたをする工程で機械ミスが多く出ることに問題意識を持ったという。 センサーの超音波で容器の縁を確認し、 熱でプラスチックを溶かしてふたをする仕組みになっているが、 ミスの原因はセンサーが正しく縁の位置を確認していないことだった。 中本さんは 「縁の幅を広げることで改善につながるのではないか」 と考案。 従来の幅3~4㍉から0.7㍉程度だけ広げた。 容器業者と相談しながらサンプルが完成。 すぐに実用化に至った。 この結果、 以前は約100個に1個の割でミスが出ていたが、 新しく考案した容器に変えてからは約1000個に1個となった。 ミスが出ると廃棄処分しなければならないので、 コスト面でも改善された。 中本さんは 「他で真似できるいいところがあれば、 それを参考にしてアレンジすることが新しいアイデアにつながる」 と述べ、 受賞については「今後も、いろんなことに問題意識を持ち、 他の人の意見を聞きながら解決方法を考えていきたい」と話している。