1分けを挟んで開幕7連勝。プロ野球セ・リーグでは、巨人が素晴らしいスタートダッシュを決めた。8戦で13本塁打と重量打線が機能、あまり当てにしていなかったボウカー、ロペスの助っ人が大活躍。昨シーズンは期待通りの働きとまではいえなかった村田が絶好調で、復活を期す脇谷ら脇役も結果を出した。切り込み隊長・長野はまだまだでもこの快進撃。テレビの解説者らは早くも「オールスターまでに優勝を決めるのではないか」といい、アンチ巨人からは「早く優勝を決めるなら決めて、クライマックスシリーズ出場争いを楽しみにしたい」なんて声も聞かれる。
 もう10年以上前になると思うが、他のチームの主砲を金にものをいわせて集め、大ブーイングを浴びた。でも、勝てなかった。大金を使ったのに優勝できなかった。その教訓がここ数年のシーズンに生かされているように感じる。先発野手の主力は外国人を除けばほとんどが生え抜き。投手には杉内、ホールトンらがいることを思えば、移籍選手の比率が低い。野球は本塁打の数を競うのではなく、守りを固めることが大事。昔の補強失敗で学び、新たに菅野を加えた磐石ともいえる投手陣を築いたからこその7連勝だと思う。
 西岡、福留の新加入で注目を集めた阪神は3勝5敗と振るわない。7日の先発野手は半数が移籍選手。守護神の大リーグ挑戦があったにもかかわらず、いつぞや見た光景、打者に大枚をはたき、肝心の投手補強がおろそかになってはいないだろうか。シーズンはまだ始まったばかりとはいえ、出足を見ると昨季低迷からの巻き返しは厳しいムード。秋には、教訓は生かさないといけないという教訓が生まれそうだ。      (賀)