みなべ町は平成24年中の外国人宿泊客数をまとめた。 東日本大震災による福島第一原発事故が発生して外国人の足が遠のいた前年よりも、 さらに4171人 (18%) 減少の1万8989人となった。 担当の産業課では「尖閣諸島の国有化や李明博(イ・ミョンバク) 前大統領の竹島上陸問題で反日運動が高まり、 秋以降に中国や韓国から訪れる観光客数が激減したことなどが響いた」 と要因を分析している。
 同町の24年のまとめによると、 国別では台湾からの観光客宿泊がもっとも多く1万724人で、 全体の56・2%を占める。 2番目に多いのが香港の6485人 (34・2%)。 中国は794人 (4・2%) で3番目、 韓国は706人 (3・7%) で4番目。 中国については昨年9月に日本政府が尖閣諸島を国有化するまでは大幅に宿泊者数を伸ばしており、 前年1月から9月までの65人に対して10倍以上の667人となっていたが、 その後大幅に減少。 11月、 12月はいずれも宿泊がなく、 10月から12月の3カ月でみると前年の272人から半減して127人となった。 韓国についても、 李前大統領が8月に竹島に上陸して以来宿泊客が激減。 24年の1月から8月までは515人で前年の126人から4倍となっていたが、 その後の4カ月 (9~12月) では191人で、 前年 (484人) の半分以下に減少している。 担当課では 「国際問題が観光に影響した」 と話している。
 山内にある宿泊施設 「紀州南部ロイヤルホテル」 に宿泊する外国人が多いため、 平成23年では県内の市町村で外国人宿泊客の割合はみなべ町が最も多く、 全体の28・8%を占めた。 24年については県内他町村の状況がまとまっておらず、 把握できていない。