今夏に神奈川県の横浜スタジアムで開催される第30回全日本少年軟式野球大会に向けての第9回日高支部予選が23日、日高川町の川辺若者広場で行われ、日高地方中学生選抜の日高オールスターズがクラブチームの和歌山Ⅲ(スリー)アローズを1―0で破って2年連続の県大会出場を決めた。オールスターズは打線が内野安打の1安打だけと振るわなかったが、相手のミスに乗じて奪った虎の子の1点を中村光、三尾の継投で死守。スリーアローズは相手を上回る3安打を放つも序盤の好機にあと一本が出ず、波に乗れなかった。
和歌山Ⅲアローズ
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  000100× 1
日高オールスターズ
 オールスターズは4回、先頭・小谷が投前へバント安打。一塁悪送球の間に二塁まで進んだ。続く笹野の三塁線上へのバントも敵失を誘い、さらに二盗と死球で無死満塁とすると、矢野が投ゴロで本封のあと井原の二ゴロが野選を誘い、三走・笹野が待望の生還を果たした。打線はその後も沈黙、追加点をあげられなかったが、投手陣が奮起。先発・中村光は制球の定まらない立ち上がりにピンチを招いたものの、粘り強い投球で3回を2安打無失点。4回から登板の2番手・三尾は変化球を武器に凡打の山を築き、7回までの4イニングをわずか1安打、1四球を与えただけの好リリーフ。最終回も2三振を奪って三者凡退に終わらせた。バックでは捕手・清長が二盗を2回阻止するなどで支えた。
 スリーアローズは初回に福山の内野安打などで1死一、二塁の好機をつかむが、期待のクリーンアップが連続三振。2回は四球などで無死一、二塁と攻めるも後続が三振、一ゴロ、二飛に倒れた。先発・濱は力のある速球で外角を丹念につき、ほぼ完璧に相手を抑えたが、打線の援護に恵まれなかった。
 オールスターズの塩路秀喜監督は「序盤のピンチを切り抜けられたのが大きかった。三尾が淡々と、落ち着いて好リリーフを見せてくれた」と苦しい試合を振り返り、県大会へは「打線が課題。きょうは緊張もあって(バットが)振れてなかったと思うが、残り1カ月でもっと振れるように練習していきたい」と修正点を口にした。一方、スリーアローズの濵﨑正人監督は「チャンスに一本出なかったのが痛かった。ただ、陸上部と卓球部の選手も入れての急造チームで、よく頑張ってくれたと思う」と前年度全国大会3位の強豪と互角の勝負を演じたナインをたたえていた。
 県大会は4月20、21の両日に貴志川スポーツ公園野球場であり、県内各地方代表の8チームがトーナメントで激突。優勝チームが近畿大会へ進出となる。オールスターズの初戦は20日午前11時プレーボールで、対戦相手は那賀支部代表。