思わぬプレゼントをもらったとき、うれしくて心が温かくなる、 そんな経験をした人はたくさんいるだろう。 若い恋人同士でもあるまいし、 何を言い出すやらと思われる読者の方もいるだろうが、 いくつになっても、 誰からもらっても、心のこもった贈り物は人を元気にする。 物でも言葉でも何をもらうかではなく、 贈る人の気持ちに感動をおぼえる。 それがプレゼントというものだと、 あらためて理解させてもらう出来事があった。
 先日開催された本紙協賛の日高新報杯少年サッカー大会。 御坊市出身、 Jリーグセレッソ大阪で活躍する酒本憲幸選手のご両親から、 うれしいプレゼントが届いた。 本紙をみて、今回創刊85周年を記念して個人賞を設けていることを知り、「頑張った子どもたちにあげてください」と酒本選手のサインやタオルをわざわざ差し入れていただいた。母上いわく、「憲幸も小学生のとき、この大会に出させてもらった。 わたしもこの場所で応援したのをいまでもきのうのことのように覚えています。 何かのお役に立てれば」 と。 一生懸命ボールを追いかける子どもたちを少しでも後押ししたい、 そんな純粋な気持ちが伝わり、久しぶりにすがすがしい気分にさせてもらった。
 出場した小学生の子どもたちに、この温かい気持ちを理解するのは少し難しいかもしれないが、 いくつになってもこの大会が開催されるころに思い出してほしい。 あの時もらったサインに込められた思い、 いろんな人の熱い思いが詰まって開催されていることを。 そしていつか、自分たちが人に感動を与えられる大人になってほしい。 もちろん、 自分自身に課す言葉でもある。 (片)