印南町が人口減少、定住対策としてホームページなどで平成20年10月から実施している空き家バンクは、家を借りたい・購入したいという利用者登録が着実に増加している一方、依然空き家の提供が不足しており、需要過多、供給不足の状態に陥っている。同様の傾向は空き家バンクを実施している全国の自治体でも多くみられ、町では空き家の提供へいろんな方法で呼びかけをしている。
 空き家バンクは、 町に空き家情報を登録しておけば、 ホームページで間取りや外観写真、 賃貸・分譲、 価格などが公開され、 希望者から問い合わせがきた際、 町から紹介を受けられる。 また空き家を使いたいという利用者登録をしておけば、 希望する物件にマッチした空き家が登録された際に、連絡が入るようになっている。
 ホームページの空き家バンクコーナーは他のコーナーに比べてもアクセス数が多く、また田舎暮らしの情報を提供しているサイトなどにも掲載されている。利用者登録数は20年度が4人、21年度が10人、22年度が16人、23年度が23人、24年度が12人(2月現在)の合計65人と着実に増加。ほとんどが町外で半数以上は県外となっており、印南への移住に興味を持っている人が多いことがわかる。
 利用希望者が多い一方で、空き家の提供数は伸び悩んでいる。20年度2軒、 21、 22年度に3軒ずつ、 23年度に4軒、24年度に4軒 (2月現在)と合計16軒のみで、 町内にあるといわれている空き家の数に比べてごく一部となっている。 また16軒のほとんどが契約成立しており、 現在は1軒のみ掲載している。
 空き家バンクの物件不足は、 同様の取り組みを実施している全国の自治体の共通の課題となっている。 町では広報紙や区長会などで空き家の情報提供を呼びかけており、 引き続きさまざまなPR方法を検討していく。