県立医科大が新たながん治療、「がんペプチドワクチン療法」に乗り出す。人工のアミノ酸化合物(ペプチド)を体内に投与することにより、キラーT細胞が活性、増殖してがん細胞への攻撃力がアップする。治療は月に数回、来院して注射をするだけ。従来の標準治療では効果が期待できない患者を対象に、その人自身の本来の免疫力を生かすため、副作用も少ない。
 現時点でまだ国が医薬品として承認していないため、がんの種類や進行度、白血球の型などの条件をクリアした患者のみ、臨床研究に参加することができる。同大は患者やその家族らでつくる「市民のためのがんペプチドワクチンの会」の支援を受け、全国初の患者団体の寄付による治療学講座を開設。4月から難治がんのすい臓がんと予後のよくない食道がんを手始めに、第4の治療として期待を集めるペプチドワクチンの基礎研究、臨床試験を開始する。
 講座の中心となる山上裕機教授は「私たち医師にとって、会の支援で研究できることは大きな誇り」という。会は年間1000万円、3年間で3000万円の寄付を集め、講座はその予算で夏ごろからすい臓がん、食道がんの患者40人ずつの臨床研究(治療)を開始する予定。そのためには、3月末までに500万円の講座開設費用が必要となるが、今月11日現在の寄付は58万2500円にとどまっている。
 会代表の會田昭一郎さん(70)は会見で、「どうか皆さんも想像してみてください。あなた、もしくはあなたの家族が突然、がんを宣告されたら...」と問いかけた。自身もがん患者だそうで、切々たる思いはその場の全員の胸に響いた。詳しくは同会のホームページ(http://www.ccpvc.org/index.php)を。(静)