イノシシやシカなどの肉を使ったジビエ料理を提供するジビエウイークが県内で開催中だ。今月末までのジビエPRイベントで、60カ所の飲食、宿泊施設などが参加。対象メニューを食べるなどし、アンケートに答えた人を対象に豪華景品が当たる。日高地方からの参加は10施設。筆者が舌鼓を打った料理も対象で、この機会にまた口にしたいと考えている。
 よく耳にするようになったジビエ料理だが、県内各地の取り組みは農作物に対する獣害対策。丹精込めて育てた作物が食い荒らされ、出荷できないとなると、農家にとって大打撃。生産意欲さえも低下してしまう。そんなイノシシやシカによる県内の農作物被害は年間約2億円。捕獲数は、昨年度で約2万頭を数えたが、食用処理したのはたった500頭余り。ジビエ料理で需要が増え肉が売れれば、農家が助かるだけでなく、ハンターの収入、狩猟意欲アップにもつながり、捨てていた肉を活用することは地域産業の活性化も期待できるという考えだ。
 日高川町では、獣肉を町の特産とし、ジビエの町づくりを進めている。そんな日高川町のシカ肉を使った「鹿カレー」が、カレー専門店チェーン「カレーハウスCoCo壱番屋」で今月1日から販売。地元御坊国道42号店では初日に50食も売れる人気ぶりで、筆者も味わったが絶品。あっさりしていながらも、シカ肉のうまみが凝縮されている。ヘルシーでもあり、老若男女幅広く好評だ。来月末までの期間限定販売。日高川町では来月23日にジビエ料理イベントが開催される。臭みもなく柔らかく本当においしいジビエ肉。食することは農家のためでもある。ジビエウイークとも合わせて、ぜひこの機会にご賞味を。  (昌)