食育の普及や啓発に取り組んでいる個人や団体を表彰する本年度の県食育推進表彰が決まり、 日高地方から土畑とみ子さん (63) =みなべ町東本庄=、 中本エミ子さん (64) =同清川=の2人が選ばれた。 土畑さんは保育所の調理師で、 園の給食に地元の食材を使っている。 中本さんは地元の小学校で梅ジュースづくりなどの講習会を開き、 子どもたちに郷土の味を伝えている。 表彰式は19日に和歌山市の県自治会館で行われる。
 本年度の受賞は4個人と4団体。 土畑さんは昭和58年から保育所の調理師になり、 現在は上南部保育所に勤務。 園児の健康、 保健、 健全な成長を目標に多くの食材を使った献立を立案してきた。 給食に米粉パン、 備長炭の炭パウダーを使ったドーナツ、 地元特産の梅を使った料理を提供し、 郷土料理の伝承に努めている。 平成21年には食育計画を作成し、 調理師会議で後輩を指導するなど園児の食育推進に尽力している。
 中本さんは平成20年から地元小学校で南高梅を使ったジュースやジャムづくりの講習を行い、 地域に根ざした食育活動を展開。 23年からは天然アク (木を燃やした灰を湯でろ過したもの) を利用したコンニャク作りの出前教室も開き、 食文化を子どもたちに伝えている。 昨年清川で設立された加工施設 「げんき工房きよかわ村」 の代表も務め、 地域の活性化にも尽力している。
 受賞について土畑さんは 「当たり前と思って行ってきたことを認めていただいて、 とても光栄」、 中本さんは 「この賞を励みに、 これからも子どもたちに地元の食材の良さを伝えていきたい」 と話している。