JA紀州中央(芝光洋組合長)は17日、組合員が新しく購入した農機具を届ける新春恒例の「初荷出発式」を行った。販売額は目標の4100万円を大きく上回り(金額非公開)、同JA合併以来15年連続で達成。不景気も吹き飛ばす組合員の生産意欲の高さと、同JAの足腰の強さを示した。市内の下財部トラクター組合(細田裕二代表)には芝組合長が直接届け、さらなる生産性向上へ激励した。
 ことし販売台数が最も多かったのは草刈り機・チェーンソーで13台。トラクターと田植え機が5台ずつ、コンバインと乾燥機も4台ずつと大型農機も好調だった。
 おととし9月の台風12号で管内の多くの生産者が被害を受けたことから昨年は出発式を中止しており、2年ぶりの開催となった。同JA本所駐車場で行われ、真新しいトラクターやコンバインを積んだトラック、法被姿の職員が整列。芝組合長は「15年連続して目標を達成できたのは、職員が日ごろから組合員と接し、信頼を得ているおかげ。農機具は高額で組合員の方々には大きな負担となるので、できるだけ長く使ってもらえるよう、アフターサービス態勢を万全にしてほしい。これからもJAを利用してよかったと思ってもらえるように頑張っていこう」とあいさつした。ジュースで乾杯したあと生産者の家へ勢いよく出発した。
 このうち、トラクター2台を購入した市内湯川町下財部の生産者10人でつくる「下財部トラクター組合」には、芝組合長が直接訪問。細田代表の代理としてメンバーの細田清さん(41)ら集まった4人に「日ごろからJAに協力いただきありがとうございます。これからも愛される農協を目指しますので、皆さんも新しい農機を使って頑張ってください」と激励した。同組合では農機具を共同所有しており、老朽化した1台の代わりに2台を購入。これまでより1台多い3台となった。細田さんは「新しいトラクターは使いやすそうで、メンバーの生産意欲もますます高まるでしょう。米や野菜農家が多く、1台増えた機動力を発揮して、これからも頑張りたい」と笑顔で話していた。