みなべ町は、 南部川右岸側の筋地内に災害時に活用するヘリポートを整備した。 町内では初めての専用施設で、 周辺の道路が損壊して地域が孤立化した場合などの備えとして建設。 町では 「南海トラフの巨大地震発生が予想されるなか、 大津波で周辺が浸水することも考えられ、 その際に必要物資の運搬や避難者の救助に活用できる」 としている。
 場所は筋地内の前谷地域で、 共和新橋から北へ約300㍍の地点。 十数年前に田淵池 (農場用ため池) を埋め立てた町有地で、 海抜約30㍍の高台に位置する。 埋め立て後は特に使用されておらず、 草が生い茂った状態となっていた。
 町では、 県のヘリポート整備支援 (孤立集落対策) 補助金を活用して建設。 整地面積は1800平方で、 ヘリポートに必要な敷地面積400平方㍍ (20㍍四方) の舗装や法面の補強などを行った。 昨年の5月議会で事業費660万円を予算化し、 7月から着工していた。
 内閣府が出した南海トラフに伴う巨大地震のシミュレーションでは、 みなべ町での津波の高さは14・8㍍。 南部川をさかのぼり、 海岸から離れた上南部地区も浸水することが予想される。 橋などが通れなくなり、 孤立する可能性もある。 今回整備したヘリポートは、 筋地区のほか周辺の徳蔵地区など南部川右岸地域住民の津波の1次避難場所としても期待されている。