日本新聞協会主催の第3回「いっしょに読もう新聞コンクール」で、日高地方から日高高校付属中3年の谷本美咲さんが優秀賞に選ばれた。小・中・高校生が、家族や友達と一緒に新聞記事を読み、感想・意見など書いて応募するコンテスト。谷本さんは、人を傷つけない、いじめが起きないように大阪市内の南住吉大空小学校が行っている約束の記事を読んだ。
 優秀賞には着眼、対話、提言、考察、表現の5賞があり、谷本さんは、記事を選んだ理由や読んで気付いたこと、疑問に思ったことなどに説得力がある着眼賞に選ばれた。
 谷本さんが選んだ記事は「いま子どもたちは たった一つの約束1」。1、2年生の児童が元気いっぱいに笑顔でダンスをしている写真に興味を引かれ、「みんな笑顔でいるために」という見出しが付いたこの記事を選んだ。大空小学校では「自分がされて嫌なことは人にしない、言わない」というのがたった一つの約束事。子どものころにいじめられた経験がある校長の考案で、全児童が人を傷つけないために取り組み、約束を破ったら校長に自己申告するルールになっている。この記事を読んで、谷本さんは「大空小学校のように児童の様子を日々確認し、自分が悪いことをしたということを児童個人に分からせていればいじめは起きない。このたった一つの約束はなくてはならないもの」と気付いた。「学校の標語でよくある夢や希望など、そんな大きいことを語る前に、児童、生徒のことについてよく考え、一人一人の幸せ、笑顔を守り抜く学校を作るべき」と提言。「みんな笑顔でいるためにを第一とする約束は素敵」と締めくくっている。
 谷本さんは昨年、東日本大震災についての記事で奨励賞を受賞しており、今回優秀賞にランクアップ。「受賞できると思っていなかったのでとてもうれしく思います。大空小学校の約束は当たり前だけど中々難しい。私も心がけています」と話している。
 コンクールには全国から2万5864点の応募があり、最優秀賞3点(小中高各1点)、審査員特別賞1点、優秀賞30点、奨励賞134点、団体応募の291校から学校賞10校が選ばれた。日高地方からは谷本さんほか、奨励賞に井原絵里加さん(日高高校付属中2年)、森本あゆみさん(同3年)、寺本奈央さん(紀央館高3年)が選出された。