去る25日に田辺市龍神村の龍神ドームで開かれた翔龍祭のイベントの一つとして行われた 「すぎ・ひのきクラフト展」 の審査結果が1日までに発表され、 龍神村柳瀬、 自営業深瀬正仁さん(46)の 「組み立て式ひのきベンチ」 が最高賞の翔龍祭賞に選ばれた。 龍神の良質なヒノキを使った温かみあふれるベンチで、 手軽さや使い勝手のよさが高い評価を受けた。
 深瀬さんは、 同地の手作り家具工房JINの代表。 数年前までは柳瀬木工所の名でパナソニックの下請けとして照明器具の一部を製造していたが、 オリジナルの家具を作りたいと2年前にJINを立ち上げた。 地元の木材にこだわり、 木の香りとぬくもりあふれるベッドや家具、 勉強机、 本棚などを製造。 インターネットで販売している。
 翔龍祭賞を受賞した作品は、 新作ベンチの試作品として開発。 長さ1・5㍍、 幅約60㌢、 腰掛け部分までの高さ30㌢。 ねじを回すだけで誰でも手軽に組み立てることができる。 分解すれば持ち運びも簡単。 コンセプトは 「多用途」 で、 3人まで座れるほか寝転がることもできるようにしている。 「美しく仕上がったと思います」 と出来栄えに満足しており、 「これまで数回出品していますが、 翔龍祭賞は初めてでうれしい。 背もたれを倒してベッドにできるよう、 これから改良していこうかと思っています。 木のぬくもりを感じて、 ほっとした気持ちになってもらえれば」 と笑顔で話していた。
 クラフト展は、 スギ、 ヒノキの温かさや肌触りの心地よさを生かし、 多くの人に 「身近に木のある生活」 を感じてもらおうと毎年作品を募集している。 ことしは秀作8点の応募があった。 翔龍祭賞のほか龍神行政局長賞は吉本直敏さん (龍神村柳瀬) の 「どこででも簡単に楽しめるハンモック」、 パナソニック賞には松葉正次郎さん (奈良県葛城市) の 「玉がころりころり下から上に?」 が選ばれた。