日ごろ肩こりとは無縁な体質だが、数年に1度くらい右肩だけ石のように凝ることがある。今がまさにそれで、肩どころか顔の右半分が痛く、ひどい口内炎までできてしまった。痛くて右側ではものが噛めない。
 ネットで調べると口内炎は原因も症状も有効な治療法もさまざまで、ストレスとの関係も云々される。とりあえずうがい薬で口中を消毒しビタミン剤を飲んでいるがまだ治らない。先月の市民教養講座最終回で、医学博士の海原純子さんがストレスとのつきあい方について話していたのを思い出す。健康貯金を減らす3つの要因が喫煙、深酒、ストレスだとか。
 海原さんは医学博士で歌手。父親が病気で、学生時代は昼は大学に通い、夜は学資のためクラブでうたう毎日だった。大変だったが自己表現の喜びを知った。医師となって歌手はやめたが、やがて多忙のあまり体調を崩し、声も出ないようになる。治った時に「私は私。研究もしたいし歌もうたいたい」と、自分を枠に閉じ込めないことを決めた。
 自分のための時間を作り、その日のストレスはその日にリセットするというのが海原さんの参加者へのアドバイス。ウイルス等を撃退するNK細胞は何かに熱中すること、何かを心地よく感じることで増えるのだから、その力でストレスも消える。
 しかし度を越しては何もならない。好きなものを読むことでストレスは発散できるはずだったが、目の疲れを無視していたのが体調に表れたようだ。遅ればせながら改善しようとしているが、左側にも口内炎の気配があることに気付いた。できてしまったらどうやって栄養を摂ればいいのか、恐れおののいているところである。
       (里)