農業経営の改善や技術改良に積極的に取り組んでいる生産者をたたえるJAとNHKの「日本農業賞」県代表を決める審査があり、御坊市名田町楠井、芝本貴史さん(34)が選ばれた。12月の中央審査に進む。
 芝本さんはガーベラとスターチスを栽培している花農家。平成12年、大学卒業と同時に22歳で後継者として就農した。当時はスターチスとカスミソウが主体だったが、新たな品目に挑戦しようと、試験栽培したことがあったガーベラを導入。国内外の先進地で学び、10㌃のパイプハウスの土耕栽培から始めたが、いまではガーベラだけで90㌃の栽培面積を誇る。19年にはドームハウスを建設して養液栽培システムを導入し、温度管理や換気などオートメーション化した。書類審査と現地調査の結果、大規模経営に取り組んで高品質な商品を安定生産していることや、原油高騰に対応していち早くヒートポンプ(エアコン)を導入し、環境に優しい農業を実践していることなどが高く評価された。
 6日には和歌山市で表彰式が行われた。審査員からは「スターチス栽培が盛んな御坊でガーベラ栽培に着目し、地域のブランド化に取り組んでいることが素晴らしい」などとねぎらいの言葉を受けた。芝本さんは「多くの方に支えていただいたおかげ」と感謝し、「今後も地域、産地、自分自身の発展へ一層努力していきたい」と意欲的に話している。