日高川町寒川の寒川神社と市内湯川町財部の宝神社で3日、 日高地方ラストの秋祭りが行われた。
寒川神社は神事のあと、 お渡り行列がお旅所に向けて出発。 花幟を先頭に、 4人立ちの獅子や長刀振りなどが進んだ。 獅子舞は江戸時代に寒川を訪れた関東の浪人医師、 岡本橋順が伝えた全国で3カ所しかない江戸神楽の一つとして知られ、 笛と太鼓の音色に合わせて、 王仁 (おに)、 和仁 (わに) に引き連れられて舞う姿は多くのカメラマンやギャラリーを魅了。 大太鼓は奥村亜佳音さんで、 女性が務めるのは神社始まって以来初めて。 お戻り後には境内で長刀の舞、 長老の舞など披露され、 にぎやかなお多福が登場した。
宝神社は、 神事に続き、 4人の女子児童が緋色のはかま姿で巫女の舞を奉納。 清楚でかれんな舞い姿に拍手が起こっていた。 元気な太鼓に合わせてかわいい子どもの 「牛踊り」、 氏子女性らの 「花笠音頭」、 七福神の踊り、 えびすの魚釣りなど趣向を凝らした出し物が次々に登場。 最後には 「豊年牛踊り」。 財部地区で盛んだった農業の様子を再現した踊りで、 牛追い、 肥料や水をやる動作などのあと黒牛が勇壮に舞った。 もちや菓子も振る舞われ、 見物客は歓声を上げて楽しんでいた。