公益財団法人日本バレーボール協会(JVA)などが五輪をはじめ国際的に活躍する人材の発掘、育成を目的に行う全日本中学生選抜海外遠征メンバーに、大成中3年の濵中晴貴君(15)=日高川町小熊=が見事選出された。ことし2月と9月に行われた全国選りすぐりの選手が集まる合宿で高い攻撃力が評価を受け、日本代表12人に白羽の矢が立った。濵中君は「思い切って自分の力を出し切りたい」と力強く抱負を語っており、11月の日韓戦で世界に羽ばたくアタッカーへ第一歩を踏み出す。
 濵中君は3歳上の姉の影響を受けて小学3年生からバレーを始め、6年生時にはエースアタッカーとして川辺ひかりを夏の全国出場へ導いた。大成中では1年生秋から主力。2年生になると都道府県対抗バレーの和歌山選抜に選ばれた。身長187㌢・体重67㌔、最高到達点325㌢のウイングスパイカー。ここ1年で7㌢背が伸び、体重も10㌔増で大幅にパワーアップ。1年生時から得意にしていたバックアタックは破壊力が格段に上がり、中3レベルでは全国的にも数少ない選手しか打てないといわれる鋭く曲がるジャンプサーブも大きな武器にしている。
 2月16日から19日まで東京都で行われた全国選りすぐりの50人が参加の長身選手発掘育成合宿で、選抜強化第1次合宿メンバー25人に選出。第1次合宿は9月14日から17日まで同じく東京都であり、長身合宿選考の25人と推薦選手5人の計30人の中から日本代表12人に選抜された。第1次合宿では元日本代表の川合俊一氏らも見守る中で実戦練習、バレー漬けの生活を通じて「高い打点で力強くボールをヒットできる」と評価を受け、「大きな声を出して積極的に練習に取り組める」などと技術面だけでなく精神面や生活面でも認められたという。
 日本代表に決まった12人は11月1日から13日までの日韓スポーツ交流事業ジュニア選手競技力向上事業男女交流試合(前半・日本、後半・韓国)に出場。10月18日から21日までの3泊4日、東京都・味の素ナショナルトレーニングセンターで行われる第2次強化合宿にも参加する。濵中君は第1次合宿を振り返って「サーブはよく決まりました」と話すものの、「ブロックの高さ、トスのタイミングに戸惑って、満足のいくプレーはできませんでした」。海外遠征メンバー入りには「手応えがなかったので、びっくりしています」と驚きを隠せない様子で、日本代表の証し、赤字で「JAPAN」と記されたワッペンが届いてもまったく実感がわかないという。来月の第2次合宿、11月の日韓交流試合へ向けては「コンビネーションがうまくいくかとか不安が大きいですが、得意のサーブや声出しでアピールし、ほかの選手のプレーを勉強、吸収してきたい。日本代表に恥じないように、思い切って自分の力を出し切ります」と力強く抱負を述べ、日の丸を背負ってのプレーに闘志を燃やしている。
 中学生選抜海外遠征の参加は県内の男女では初めて。大成中バレー部顧問の中本徹さん、砂川佳昭さん、山本周子さんはそれぞれ「彼のひたむきな練習が実を結んだ」「代表でもいろんなことを学び、自分のものにして大きく成長していってほしい」「さらにパワーアップした自分らしいプレーに期待します」と喜びのコメント、エールを送っている。