平成20年4月に開園した美浜町の幼保連携型認定こども園、 ひまわりこども園の管理運営に関し、 見直しの動きが出ている。 老朽化が進む町内4つの幼稚園、 保育所を統合、 行財政改革の一環で待機児童解消なども目的に新設されたが、 児童数と職員数の増加などで経費の年間収支は1億円以上のマイナス。 所管の教育委員会はこの5年間の検証を行い、 民間 (指定管理者) 委託も含めて園の適正運営のあり方を検討することに決めた。
 ひまわりこども園ができるまで、 町内には松原保育所、 めばえ保育所、 みはま幼稚園、 松原幼稚園の4つの公立保育・教育施設があったが、 いずれも老朽化が進み、 経費節減の行政改革の一環で統合の検討がスタート。 町は幼保一元化検討委員会の答申を受け、 19年度末までに4園を廃止して1つにまとめ、 20年4月、 県内初の幼保連携型認定こども園としてひまわりこども園を開設した。
 開園時の園児数は、 19年度 (4園合計) の147人から201人に増え、 職員数 (臨時含む) は25人から31人に増加。 園児数の増加は従来なかった3歳児の幼稚園部門 (短時間保育) の新設などが要因で、 職員数の増加は法律に定められた保育者や調理員、 保健師の増員、 新規配置等が要因。 年間の管理運営経費は開園前の19年度 (4園合計) が約1億3600万円だったのに対し、 開園1年目の20年度は約1億8000万円。 23年度は約1億7600万円で、 このうち収入は保育料や給食費で約3600万円しかなく、 約1億4000万円のマイナスとなっている。
 施設が新しく大きくなり、 人件費や光熱費の増加も含めて運営経費の増加は当然予想されていたが、 「初年度の4400万円の増加は、 見通しより2000万円ほどオーバー」 (教育委員会)。 開設から5年目を迎え、 財政が厳しいなかで少しでも経費を減らしていくため、 議会からは以前から民間委託も視野に運営のあり方を見直すよう求める声が上がっており、 教委は 「美浜町の乳幼児保育、 幼児教育が本来の期待通りの働きをしているのか検証し、 運営については指定管理者に委託する公設民営、 施設を無償譲与する民設民営も含めて方向性を検討したい」 と話している。