今月26日から30日までアメリカコロラド州で開催されるドッグスポーツ 「USDAAアジリティーワールドチャンピオンシップ」 に、 日高川町土生の江原輝之さん (43) と愛犬ジーナのペアが日本代表として出場する。 アジリティーとは犬の障害物競走で、 江原さんとジーナは、 家族の一員として生活をともにしトレーニングを積んで築き上げた固い絆で世界の大舞台をつかんだ。 初めての世界挑戦に 「チャレンジャー精神で頑張ってきます」 と胸を躍らせている。
 アジリティーとは、 犬と人間が調和をとりながら、 コースに設置されたシーソーやハードル、 トンネルなど20前後の障害をクリアしていく競技。 タイムと障害を定められた順番に着実にクリアすることが求められる。 30㌢のミニ、 40㌢のミディアム、 55㌢のスタンダード、 65㌢のラージの4クラスがあり、 世界への道のりは、 各クラスとも年間約30回ある競技会で、 2回をノーミス、 うち1回を1位通過すれば最終選考会に進出。 最終選考会で世界大会への5ペア (1戦目で2頭、 2戦目で3頭) が決定する。
 江原さんとジーナはスタンダードクラス。 3回目の挑戦となった奈良県の競技会でノーミス、 5回目の兵庫県の競技会で見事1位通過し、 福岡県であった最終選考会第1弾の 「アジアグランプリ」 に出場。 予選を勝ち抜いた選りすぐりの強豪が集まる中、 ジーナは江原さんの指示に素早く反応、 障害物を高速で的確にクリアしていき、 20頭中、 2位で通過。 世界大会の出場キップを獲得した。
 江原さんの挑戦は7年前、 妻の博美さんと有田市の有田川河川敷でアジリティーに取り組むペアを見たことがきっかけ。 以来、 江原さんは博美さんとともにそれぞれのパートナーと取り組んでいる。 江原さんにとってジーナは2頭目のパートナーで、 ボーダーコリーの3歳のオス。 アジリティーは血統が重視されるブラッドスポーツだが、 ジーナは両親ともアジリティー未経験という無名血統ながら、 指示後の障害に向かっていく速度、 障害物を正確にクリアしていく能力が卓越している。 生後9カ月からアジリティーを始め、 江原さんは家族の一員として暮らしをともにし、 毎日約30分間、 市内野口のふれあい水辺公園で楽しく遊びながらトレーニング。 深い絆を築き上げた。 おととしからはNPO法人オプデス (犬の総合教育社会化推進機構) 副理事長の田辺久人さんからトレーニング理論を学び、 2003年のアメリカテキサス大会で世界一に輝いた大隈智美さんからも指導を受けている。
 世界大会では個人競技と3ペア1組のチーム競技に出場。 江原さんは 「飼い主と犬が共通の趣味をもつことは本当に素晴らしく、 何ごとにも代えられない幸せな生活になることをアジリティーを通して知りました。 県内でアジリティーが広がるきっかけになればと思っています」 と話している。