「中学生軟式野球の甲子園」とも呼ばれる、横浜スタジアムで開催された第29回全日本少年軟式野球大会で、日高地方選抜「日高オールスターズ」は銅メダル。8年ぶり3度目の挑戦、夢の日本一には届かなかったが、大健闘の夏だった。
 オールスターズは予選とは一転、猛打が爆発した。初戦は5本の長打を含む10安打11得点で丸子北中クラブ(長野県)を一蹴。続く準々決勝も2本の長打を含む9安打9得点で海星中学校クラブ(三重県)に大勝した。近畿予選まで出番に恵まれなかった選手たちも数多く出場し、投手はきっちりと本来の投球を見せ、代走、守備、代打でもそれぞれが持ち味を発揮。はつらつとしたプレーでチームの勝利に貢献していたのがうれしかった。野球は9人で試合をするが、メンバーは20人。当然、途中交代があっても何人かはグラウンドに立てないことになるが、昨秋の10期生結成以来、あきらめず、くさらずに一生懸命練習を積んできたたまものだと思った。
 準決勝で東風平中学校(沖縄県)に敗れ、優勝は同じ近畿代表の西京ビッグスターズ(京都府)となった。西京ビッグスターズ戦は近畿予選の決勝、今大会の準決勝と2試合、観戦する機会があったが、さすが日本一になるだけあると思わせるチームだった。オールスターズのスタッフ、選手たちも「上には上がいる」と感じただろうし、ぜひ今後の飛躍の糧にしてほしい。
 表彰式後、指導者たちがナインに声をかけていた。「銅メダルに誇りを持つことはいいが、天狗になるな。通過点と思ってほしい」。メンバー20人は素晴らしい球場で素晴らしい経験をした。これを生かして野球や勉強に頑張っていってほしいと願う。   (賀)