献血推進に多大な貢献をしている人をたたえる厚生労働大臣感謝状の受賞者が決まり、日高地方から唯一、印南町印南の岡本殖産会長、岡本崇さん(79)が選ばれた。27日には同社で伝達式が行われ、東京の日本赤十字社から感謝状が贈られた。岡本さんは献血運搬車の寄贈や全国で講演活動を行うなど長年にわたって献血推進活動を展開しており、「これからも献血の大切さを訴えていく」と力を込めた。
 岡本さんは昭和50年6月、 最愛の娘・幸美ちゃん(当時3歳3カ月)を小児がんで亡くしており、 手術の際に多くの人から善意の輸血を受けた経験から、 同年9月、 当時貴重だった献血運搬車を寄贈。 「幸美号」 と名づけられ、 以来、 5台を県赤十字血液センターに贈っている。 御坊ライオンズクラブの一員として献血推進奉仕しているほか、 平成17年7月、 和歌山県で開催された第41回献血運動推進全国大会で、 幸美ちゃんを亡くした体験などを 「血の尊さ」 として発表。 これを機に全国から講演依頼を受けるようになり、 7年間で約80カ所、 高校生やPTA、 女性団体など幅広い年代に講演活動を行っている。 これらの功績をたたえ、 ことし7月24日に滋賀県で開かれた第48回献血運動推進全国大会で、 厚労大臣から感謝状が贈られることが決まった。
 岡本殖産で行われた伝達式で、 日赤血液事業本部の大西雅彦副本部長が 「献血推進に積極的に協力され、 多大な貢献をされました」 などとたたえ、 岡本さんに感謝状を手渡した。 大西副本部長は 「岡本さんの講演を聴いて、 献血を始めた若者がたくさんいる。 まさに献血のきっかけを作っていただいている」 と感謝の言葉を述べた。 岡本さんは 「身に余る光栄です。 娘と一緒に手をつないでやってきた思いです」 と感慨深げで、 「献血は思いやりであり、 多くの人が気軽にできるボランティアです。 一度やっていただくと、 意外と簡単だということが分かってもらえます。 人の役に立てることで心が豊かになると思いますので、 これからも一人でも多くの人に協力してもらえるよう、 自分にできることを続けていきます」と決意を新たにしていた。