29日からロンドンで開幕するパラリンピックに、 県立医科大げんき開発研究所副所長の三井利仁さん (48) が陸上競技の選手をサポートする技術総務として派遣される。 障害者スポーツ概論を専門とし、 これまでオリンピックとパラリンピックで6大会に監督・役員として参加。 今大会では陸上競技国際技術委員として、 競技のジャッジミスがあった場合の抗議をする役などを務める。
 三井さんは、 コーチング論、 トレーニング論、 障害者スポーツ概論が専門で、 現在は和歌山市本町2丁目のフォルテワジマ内にある県立医科大みらい医療推進センターの中核施設 「げんき開発研究所」 で運動療法や温泉医学、 スポーツ医学分野の研究を行っている。 4年前の北京パラリンピックでは日本人初の陸上競技国際技術委員 (ITO) を務め、 今大会は陸上競技選手の健康管理やドーピング対策などを総合的にサポートするほか、 試合ではITOとしてルール違反や選手をとりまく抗議が選手に不利にならないための判断などを担当。 先のオリンピック体操男子団体決勝で、 内村航平選手があん馬の倒立でバランスを崩した際、 国際審判団のジャッジミスに抗議をしたのと同じ役割になるという。
 県立医科大はことし7月、 日本パラリンピック委員会推薦メディカルチェック医療機関に指定されており、 今大会は日本代表選手135人全員のメディカルチェックを担当。 ロンドン五輪では三井さんと同じげんき開発研究所から、 馬渕博行研究員をアーチェリーの日本代表トレーナーとして派遣した。
 三井さんは 「選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、 裏方としてしっかり支えたい。 大会では日本選手団主将を務める土田和歌子選手のマラソンをはじめ、 レベルの高い車いす競技でしっかりとメダルをとり、 北京(27個)以上の記録を残したい」と話している。