外務省が「韓国による占拠は、国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠である」とする島根県の竹島。大統領の上陸、さらに大統領の天皇陛下の謝罪要求の発言は明らかな挑発的な暴挙、非礼極まる暴言であり、日本政府は断固、抗議しなければならない。
 国内支持率の低下や北朝鮮をめぐる日本の動きに対する政治的駆け引きとの見方もあるが、竹島への上陸は不法占拠をしているうえのいきなりの蛮行。当然、国際社会の批判を浴びながらも、19日には大臣までもが上陸した。この異常なまでの喧嘩の売りよう、輩っぷりはすさまじい。日本は自民党時代からの弱腰、民主党政権による日米同盟の背信がこの挑発を招いていることの自覚が必要だ。
 国民に言論の自由も人権もない異様な大国のように、政府が反日を煽るようなことはないだろうが、「独島は韓国固有の領土だ」という国民の意識は、日本人のそれとは比べられないほど熱い。互いに歴史的事実を整理しながら話し合おうにも、植民地政策や朝鮮王朝時代の駐朝公使が絡んだ閔妃暗殺事件など、屈辱的な過去への怒りも含めて韓国側は感情的な反発につながってしまう。
 日韓の歴史認識問題は、専門家が議論を尽くしても平行線に終わり、互いが納得できる到達点などありえないという指摘もある。戦後67年、日本は卑屈なまでに反戦・平和を求め、アジア諸国との関係改善に努めてきた。日本国民はこの歴史に立って、領土を一方的に占拠、侵食されようとしている露骨な脅威に対し、堂々と対抗せねばならない。独立国家として、左へ切りすぎたハンドルを右へ切るのではなく、真ん中に戻すだけのことである。 (静)