ことし10月1日からの障害者虐待防止法施行と同時に、全国の各市町村では役所・役場内に「障害者虐待防止センター」の設置が求められているが、日高地方の5市町(印南、みなべを除く)は、市内薗の御坊・日高障害者総合相談センター内に共同設置する方向でまとまりそうだ。ネックとなる24時間対応の虐待通報窓口設置がクリアできるためで、本来なら各市町ごとの開設で懸念されていた業務量増加などの問題を回避できる。
障害者虐待防止法は全国的に問題となっている障害者の虐待を防ぎ、養護者に対する支援なども盛り込んでいる。これまでも虐待問題は各市町村の担当課で対応してきたが、法整備で対策を強化するのが狙い。法案が成立したのは昨年6月だが、詳細な国の取り組み方針がまとまったのは最近。本県でも先月25日に開かれた研修会で各市町村の担当課に説明があったばかりで、以後対応を検討している。同法では養護者が障害者に対して虐待行為を行った場合の対応、対策、相談などを行う障害者虐待防止センターの開設を各市町村ごとに求めている。特に必須となる24時間対応の虐待通報窓口の開設をどうするのかが大きな課題。24時間態勢で職員を配置するのか、または夜間の電話を職員の携帯電話に転送する形で行うのかなどの問題も出てくるという。
ただ、同法では基幹型障害者相談支援センターの機能を持つ施設があれば、虐待防止センターをその中に開設することが可能としている。幸いにも日高地方では、圏域で設立した御坊・日高障害者総合相談センターがその基幹型障害者相談支援センターに当たる。また、すでに相談支援センターで開設している障害者用電話相談窓口「24時間安心コールセンター」を活用して、虐待通報窓口を開設することもできる。この安心コールセンターを共同設置しているのが、御坊、美浜、日高、由良、日高川の5市町となっているため、今回の虐待防止センター設置もこの5市町が共同で行う格好で、担当課らが協議を進めている。一方、かねて独自に電話相談窓口の開設などの対応を取っている印南町とみなべ町は、今回も独自路線でいくよう検討している。
市健康福祉課は「現在、日高地方で障害者が虐待を受けた事例は報告されていないが、実際に全くないとはいえないだろう。通報窓口の開設などで眠っていた問題の解決につながることを期待している」と話している。

