編集部に「デンマークに行ったことがある読者」から手紙が届いた。その読者によると、デンマークは「消費税25%ですが、それらは教育(大学まで無料)、福祉、医療(無料で受診)につぎこまれ、原子力発電所は国民投票の結果、建設ゼロ。国内の電力は風力、地熱など自然エネルギーでまかない、森と湖、お城などに囲まれた、おとぎの国のようなところ」(一部中略)とある。5年前、筆者も訪問したが、一部を除きその通りの国だ。
 現地でお城に行った時、ガスバーナーを持った人がいて「農薬はよくないので雑草を焼いている」との話だった。森林を国策で増やしていく計画もあり、国を挙げて環境問題に取り組んでいるのが伝わってきた。その他、同一労働、同一賃金。福祉はほぼ前出通り。ただ、税金と物価はかなり高い。車を買うと200%ほど税金がかかると聞かされた。
 税金も物価も高い国だが、国民の生活満足度は世界トップクラス。政治に国民の意思が反映されているからだと教えてもらった。国政選挙の投票率は90%近く(平成17年小泉郵政選挙で約68%)もあり、国民の政治に対する関心は非常に高い。「行政への苦情、意見もかなり多い」と市役所職員が苦笑いしていたのを思い出す。
 原発、消費税増税、社会保障問題が山積する日本。いまの政治には「満足度」どころか「不満度」の方がはるかに高い。政局ばかりの政治のニュースと1通の手紙から、あらためて日本人ももっと政治に関心を持って行政に参加(選挙に行く)すべきと思い起こさせられた。次の選挙では今度こそ、約束を守る政治家を選び、満足度の高い国、「国民の声を大事にする国」(前出の読者)にしなければならない。 (賀)