JA紀州中央(芝光洋組合長)は、有田市の有田食品㈱と共同で開発し、昨年7月下旬から販売しているレトルト食品「あんばいできました紀州カレーしし肉入り」の1年間の販売実績をまとめた。販売個数は2万802食で、目標の2万食を見事に突破。辛口、甘口とも好評で、子どもから大人まで幅広い世代から支持されている。ことし7月からは新たな販路も開拓しており、2年目も販売増が期待できそうだ。
 鳥獣害対策の一環で、イノシシ肉を使った新たなブランド商品として開発。日高川町のジビエ工房紀州で解体処理されたイノシシ肉に、フルーツのような甘さと栄養価の高いミニトマトの果汁にウスイエンドウなど地元の特産を加え、改良を重ねて商品化に成功し、昨年7月23日に発売。当初から「臭みはなく、おいしい」と評判は上々だ。
 1年間で売れたのは辛口が1万1718食、甘口が9084食で、大人味の辛口がわずかに上回ったが、子どもを中心に人気が高い甘口も予想以上の売れ行きで、幅広い年齢層から親しまれていることをうかがわせている。中元や歳暮など贈答用が好調なほか、夏場はキャンプ客の消費が増えている。
 細かい数字は出ていないが、47カ所ある販売店舗別では地元のAコープかわべ店が最も多く、2位は日高川町の道の駅SanPin中津、3位は有田食品のお膝元であるファーマーズマーケットありだっこが続いた。ことし7月から新たに販売店に加わった和歌山市の高速道路紀ノ川サービスエリア上り線は、7月度の販売個数が108食で47店舗中トップになるなど、県外の行楽客からも人気を得ており、販路拡大による一層の消費アップが期待されている。同JAでは「栄養価の高いカレーは夏バテ対策にもバッチリ。夏場は消費が増えるので、しっかりPRして、2年目は1年目を超えられるように頑張りたい」とますます張り切っている。
 カレーは1食(200㌘)400円で、5食1セットの箱入り、贈答用の6食入りなどを用意している。