大成中男子バレーボール部が第64回県中学校総体で初優勝。本当に明るい、元気の出るニュースだった。
 ジュニアのバレーボールは女子が県下一の実力、競技熱もトップクラスを誇っており、中学生もまずまずの成績を残している。一方、男子は和歌山市と比べて選手層が圧倒的に薄く、どうしてもレベルが落ちる。そんな中、大成男子が大会64年の歴史にして地元勢初の優勝という快挙。それも決勝では和歌山市の強豪・明和に2―0のストレート勝ちだけに価値がある。
 大成男子の指導者によると、明和には新チームになってから2大会連続して準決勝で敗れていた。特に春の大会は1―2の大接戦。2セット目はなんとか41―39の末にものにしたが、それでも及ばなかった。全国トップレベルの絶対的なエースがいる中、あとは何が足りないのか。春の大会以降は休日返上で猛練習、中学生から本格的にバレーを始めた選手たちのレシーブ力の底上げを図り、この夏の本番では見事それが結実して明和の6連覇に待ったをかけた。
 簡単に「チームワークの勝利」といえなくもないが、チームワークは「統率のとれた団体行動や協力態勢」だけを意味するものではないと思う。秀でたものが他の選手を支える「サポート」のみではチーム力は向上していかない。日ごろの練習、努力で他の選手が秀でたものに追いつく、力をつけることが大切であり、そうなれば秀でたものの競争意識も高まり、また実力を伸ばしていく。メンバー同士の相乗効果があってこそ、その結果が「チームワーク」と呼ばれるように思う。
 大成男子の県Vはチームワークの勝利と感じる。近畿大会の活躍も祈っている。   (賀)