財団法人世界少年野球推進財団の第22回世界少年野球大会の一環で29・30日、元ホームラン王で同財団理事長の王貞治さん(72)が日高地方入り。野球教室や地元歓迎会のあいさつでは「強い思いを持てば夢は必ず実現する」などと、参加者や関係者にエールを送った。今回は台風12号災害の復興も願う催しとなったが、世界の王から地域全体が元気と希望をもらうひとときとなった。
 野球教室は30日に御坊総合運動公園で開かれ、郡市内の軟式少年野球28チームの小学6年生124人が参加。開始式では主催者側の王理事長が「野球を職業としてきた者として、こういったイベントが皆さんのお力添えでできることを大変うれしく思う。きょう参加した子どもたちは、将来ぜひ甲子園やプロを目指してほしい。そういった強い思いを持ってやれば必ずできるようになる」とエール。仁坂吉伸知事は「今回のイベントは大水害の被災地を復興させる願いも込めている」、柏木征夫市長は「きょうの教えをしっかり胸に刻んでほしい」とあいさつ。来賓の二階俊博代議士は「プロ選手がどんな思いをして取り組まれてきたか考えてほしい。一日を大切にして頑張ろう」などと述べた。このあと、ちびっこ選手たちは、元プロ野球選手の水上善雄(ロッテ・広島・ダイエー)、屋鋪要(大洋・巨人)、西崎幸広(日本ハム・西武)の3氏から走塁、守備、打撃などで熱血指導を受けた。王理事長や二階代議士らは運動公園の一角に「王氏来坊記念」で市木クロガネモチの植樹を行ったほか、王理事長とアメリカ大リーグのハンク・アーロン氏のユニフォームなどが展示された美浜町の日の岬パークを訪問。歓迎する集いも開かれた。
 前日、南部ロイヤルホテルで行われた歓迎会には、郡市内の県議や首長、議会議長ら30人が出席。王理事長はこの場のあいさつでも「青少年の育成は我々の務め」と出席者を激励。二階代議士は「王さんの広い人脈で地域発展のご指導をお願いしたい」と述べた。