日高地方で死者・行方不明者289人を出した昭和28年の7・18水害から59年。市内薗の橋本克彦さん(76)はことしも18日、天田橋で犠牲者の供養を行った。
 水害時に橋本さんが避難した天田橋は、両端が流され取り残された。橋の上から流される人や家屋をただ見ていることしかできなかったという。助けることができなかった悔しさと自分の命が助かった感謝の気持ちを込めて、毎年7・18水害の日に供養を続けており、この日は妻の由枝さん(72)も訪れた。2人で天田橋の上から酒を日高川に流し、手を合わせた。
 克彦さんは「いまテレビで震災の映像が流れているのを見ると、当時のことを思い出します。助かったことに感謝して、これからも供養を続けていきます」と話していた。