日高川町美山地区初湯川―熊野川間3・3㌔の区間で進めていた一般国道424号の拡幅 (滝頭拡幅) 工事完了を受け15日、 開通式が行われた。 仁坂吉伸知事ら県・町関係者や地元住民らがテープカットやくす玉開放などで完成を祝い、 全線で供用をスタートした。 県が内陸部骨格道路と位置づけるX軸ネットワーク道路の完成で、 地域の生活産業道、 観光ルートとして期待されるほか、 災害時における緊急輸送道としての活用など整備効果は大きい。
 式典は初湯川地内の平スポーツセンターで行い、 約150人が出席。 仁坂知事が 「X軸ネットワーク道路が完成しました。 災害時の緊急輸送が強化されるとともに、 産業発展、 観光振興においてもチャンスが増えると期待しています。 今後は川筋ネットワーク道路の整備を考えています」 と式辞。 地元日高川町の玉置俊久町長は 「念願の道路が完成しました。 経済・文化が広がり、 数々の聖地がある熊野方面も近くなります。 424号を利用して町にも紀南へも多くの人に来ていただきたい」 とあいさつ。 西博義代議士は 「台風被害もありましたが、 このルートは命の道。 完成は大変重要なこと」 と祝辞を述べ、 出席者全員で万歳三唱。 このあと滝頭トンネル御坊側入り口に場所を移して仁坂知事や玉置町長ら6人がテープカット、 吉本賢次日高川町議長ら8人がくす玉を開いて完成を祝うと、 駆けつけた地元住民らから大きな拍手が湧き起こった。 このほかもちまきや祝賀パレード、 美山太鼓の打ち鳴らしなども行われた。
 拡幅事業は初湯川地内の笠松大橋から熊野川の㈱美山組付近までの区間。 総事業費約34億円で、 平成19年度に事業採択され測量・設計、 翌年度から着工。 大型車の対向が困難だった1車線を、 安全快適に走行できるよう幅員6・75㍍ (車道5・5㍍) の2車線に整備した。 すでに工事を終えていた1・6㌔の区間については、 22年度から供用をスタート。 今回供用を開始した残り1・7㌔の区間には、 旧道に代わってバイパスの役割を果たす延長424㍍の滝頭トンネルを建設したほか、 野々川、 新木滝谷の2つの新橋を架設した。