「いじめはいつの時代もある」 という声を最近よく聞いた。 確かにそうかもしれないが、 自殺に追い込むまでエスカレートするいじめはそうあるものではない。第一、いじめという言葉に事態を軽く見せるというか、 判断を誤らせる要因があるように思えてならない。 殴る蹴るはもちろんだが、集団で一人の人間を対象に嫌がらせをするという行為は、 立派な犯罪ではないか。刑事事件として扱うのも一つの手段かもしれない。
 滋賀県大津市の中学2年生が自殺した問題。 14歳で自ら命を絶たなければならなかったほど辛い思いをした生徒の気持ちを考えると、 子どもを持つ親として胸が締め付けられる思いだ。 もし自分の子どもがいじめられたら、 逆に加害者となったら、 どのように対処すればいいのか。 明確な答えを導きだすのは難しいが、 何かが起こってからではなく、 起こる前から学校、保護者、地域住民、警察、補導センターなどで対策委員会のような組織を作っておくことも検討しなければならない。いじめが認められる、もしくは疑われるケースがあった場合、 第三者委員会で対応する態勢を整えるのも一つの方法だと思う。 問題なのは対応が後手に回ることなのだから。
 ほかにも取り組むべきことはある。 日高地方でも御坊市で少しずつ広まりつつある子どもが自分自身でいじめや虐待などの暴力行為から身を守るための教育プログラム「CAP」も一つだろう。日高地方にはCAPをもっと広めようとしている民間団体「ハッピーママライフ」 がいる。このような団体と連携していくことも重要だ。できることは何でもするという意識が必要。何かあってからでは遅いのだから。      (片)