那智勝浦町の熊野那智大社(那智の滝)で去る9日に行われたしめ縄の張り替え式で、印南町印南原出身で同大社神職の平野聖也さん(24)が作業に奉仕した。聖也さんの父で印南原大歳神社の球士宮司(54)も数年前に経験しており、同社の歴史の中でも珍しい親子二代での奉仕となった。
 聖也さんは球士宮司の長男。三重県にある皇學館大学を卒業し、昨年4月に那智大社に奉職した。しめ縄の張り替えは「那智の火祭」を迎える前と年末に行われ、16人の神職らの中から5人が選ばれる。聖也さんは初めての奉仕で、他の4人とともにしめ縄を担いで滝口まで上り、張り替えた。
 父球士さんも平成11年から8年間大社に奉職しており、張り替え式にも3回奉仕した経験がある。
 張り替え式を終え、聖也さんは「那智大社は昨年の台風12号で境内に土砂が流れ込むなどの被害を受け、たくさんの義援金や支援物資を送っていただいた全国の皆さまに、感謝の気持ちと復興への決意を込めて張り替えました」と話している。