県のまとめなどによると、今回の大雨で県内では人的な被害はなく、物的被害では海南市のわんぱく公園敷地内で土砂崩れ、広川町下津木で宅地崩壊などがあった。日高地方では市内湯川町丸山の東裏川の氾濫のほか、由良町大引で崩土が発生、県道が通行止めとなるなど、御坊、南部、由良、みなべの4市町で国道や県道の通行規制がかけられた。
 由良町大引の崩土の現場は、白崎海洋公園入り口と白崎青少年の家への上り口の間。幅約15㍍、高さ約15㍍にわたって県道御坊由良線沿いの斜面が崩れ、12日午後6時から全面通行止めとなっている。日高振興局建設部によると、復旧のメドは立っていないが、海洋公園へは大引側から、青少年の家へは小引側から行くことができるという。
 このほか、みなべ町東神野川~清川の国道424号が土砂災害の恐れ、日高川町高津尾の県道たかの金屋線が河川水位上昇、御坊市藤田町吉田~藤井の県道日高印南線が冠水を理由に通行止めとなり、13日正午現在、由良町の県道だけが通行止めとなっている。
 日高川町が避難準備情報発令 県によると、県内では白浜町が一部地域住民に避難勧告を出し、日高川町と田辺市が避難準備情報を出した。12日午後3時15分に日高川氾濫警戒情報が発令(10時に解除)された日高川町は、午後4時時点で玄子、早藤、平川、田尻の4地区の一部、計187世帯491人が避難準備の対象となったが、実際に避難した人はいなかった。
 カヌー競技の会場変更 16日に日高川町初湯川の美山漕艇場で開催予定の国体近畿ブロック大会カヌー競技は、今回の大雨の影響で会場が兵庫県宍粟 (しそう)市の音水湖競技場に変更になった。日高川の増水により、美山漕艇場下流の椿山ダムが放流したため。開催種目はスプリントで、大会にはロンドン五輪代表の阪本直也選手(和歌山県教委)がカナディアンシングル(C―1)に出場する。