猛暑だった昨年、一昨年に比べてことしはまだまだ涼しい方だが、夏場の電力不足の懸念から関西電力の計画停電期間がスタートし、心中穏やかではない。未定な部分が多く、結局どうなるのかよく分からないので、余計にもやもや感が晴れない。「ま、停電らないわよ」との声が圧倒的に多いが、可能性がある以上、もしものときはどのように対処するのか検討し、準備しておくことが危機管理というもの。さまざまなケースを想定する必要があるが、態勢が万全に整っているようには、とても思えない。
 例えば多くの家庭にある一般加入電話。電話機自体が充電や蓄電式でなければ停電と同時に使えなくなる可能性が高い。この間に110番や119番通報をしなければならなくなったときは、携帯電話か公衆電話を利用するしかない。ただ、高齢者ら携帯電話を持っていない人や近くに公衆電話がない場合どうすればいいのか。近所の人に助けを求めるしかないが、果たして動ける状態なのか。いい出せばキリがないが、少しでも問題を解決する方法を考えておくことが、備えるということだ。備えが万全でない状態の中で、計画停電が実行されるかもしれないことに、恐怖感すら感じる。
 とはいえ決まったことは仕方ないとしかいえない。万に一つかもしれないが、計画停電で一般電話が通じず、携帯電話を持っていない人が急病になり、近所に助けを求めていくこともできない人がいたら...。考えられることは、隣近所が互いに気にかけ合い、地域ぐるみで対応するしかない。災害への備えと通ずるものがある。計画停電騒ぎを一つのきっかけとし、いずれ起こる大規模災害に備える訓練にしよう。      (片)